ただの少し遅れた初詣の話

「そういえば、まだ初詣に行ってない!」

と、ふと気づき、
少し遅れた初詣をするため、神社に行くことにした。

思えば、年が明けてからここまで、
謎の怪奇現象に悩まされたり、私生活では不幸続きだったりと、
まったく良いことがなかった。
きっとそれもこれも、すべての原因は初詣をしていなかったためだろう。

早速、どこに行こうかと色々調べていたところ、
”ウサギ”が祭ってあるという神社を見つけた。
「俺はウサギのようにひょこひょこして可愛らしいし、生まれはウサギ年でもあるので、これは丁度いい!」と思い、その神社に行くことにした。


神社に着くと、やはりウサギを祭っているだけあって、
狛犬の代わりにウサギがいたり、手水の部分にウサギがいたり、
はたまた、池の中にもウサギがいたりと、
どこもかしこも噂通りのウサギ尽くしであった。

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「なんだか、これは運が上がりそうな気がするな!」

とウキウキと社殿のほうに歩いていくと、若い夫婦が砂利道のようなところで3歳くらいの子供を遊ばせていた。
俺にはとても微笑ましい光景に思ったのだが、敷地内を掃除していたおじさんがそれを見つけたようで、
いそいそとやってきて「ここで遊ばせないで!」とすごく怒っていた。
若い夫婦は「はうはうはう・・・」とショックを受けションボリしていたが、俺もそれを見てションボリした。


その後、平日の昼間に関わらず、
ベンチで頭を抱えて座っているスーツ姿のサラリーマンのような
中年男性を見つけ、その哀れすぎる姿が、
まさに自らを映している鏡のように感じ
、さらにションボリした。
何があったのかは察するが、祭ってあるウサギ達を見て少しでも癒されて欲しいものだ。


そんな光景を見続け、すっかり意気消沈したりしたものの、
やっと社殿の前に辿り着いた。

「さて、お参りをしよう」とお賽銭箱に近づいたのだが、
お守りなどを売っているところが賽銭箱のすぐ横にあり、そこから
巫女さんがずっとこちらを見ていることに俺は気づいた。

本来であれば「俺がお参りマイスターだ」と自信満々に
お参りしたいところではあるが、残念ながら今の俺は、
お参りの仕方をマスターしていない、”お参り見習い”であるため、
お辞儀が先だっけ?手は何回叩くんだっけ?と近づくにつれ、とても不安になった。
巫女さんが見ている前で間違えでもしたら、
やれやれ、勘弁してくださいよ」と思われてしまうことだろう。

そんなことがあってはとても恥ずかしいし、
もしかしたら、後々、他の巫女さん達に
そういえばtakaとかいう悪霊みたいな奴が来たんだけど、まじ退散だよね~」と
言いふらすかもしれない。

そんなことを考えると、恐怖のあまり、思わずお参りを躊躇ってしまった。
結局、巫女さんの恐怖からその場をこれ以上進むことができず、
俺は遠くからエアー賽銭とエアーお参りをし、その場を去った。


「あの巫女さんさえいなければ・・・」と悔しさを噛み締めつつ、
社殿の裏のほうに行くと、そこにもお賽銭箱と祠のようなものがあったため、
そこではしっかりとお賽銭を入れ、
それっぽいお参り方法で「厄除け!厄除け!」と参拝してきた。
きっとこれは同じ敷地にあるし、
社殿の弟分的なものであろうから、効果は同じに違いない。
これで大丈夫だろう、うむ、きっと大丈夫だ。


お参りもしっかりとすることができたので、
最後におみくじを引き、これからの1年を占うことにした。

「しっかりと身を清めたし、いい結果がでることだろう」

そう思い、おみくじを開くと、そこには”半凶”と書いてあった。
凶よりは悪いけど、大凶よりは良いという、例えるならば
「あの人は顔は悪いけど、性格は良いのよね、いやいや、私は無理だけど」的なポジションの結果となった。

肝心の内容であるが、”待人・来ず””失物・出ず””学問・雑念多し”などという
気分を激しく下げる言葉の他に、

”旅行・行かぬが吉””商売・利益無し””縁談・待ちなさい”

と、さすが半凶だけあって、散々なことが書いてあった。
半凶でこれなのだから、大凶には「死」や「殺」といった言葉がふんだんに盛り込まれていることだろう。
ウサギという可愛らしい動物を祭っておきながら、非常に恐ろしいところである。

 

1年間何をしてもダメだ、家でじっとしていろ」という
神様からのありがたいお言葉を頂戴したので、
今年1年は何もせずに家で布団に包まって過ごそうと思う。

どうやら毎年同様、今年もダメそうである。

 

 

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